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海外FX・仮想通貨 HFT(高頻度売買)のやり方・始め方まとめ

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海外FX・仮想通貨の利益率をさらに高めたい、月数百万円以上の利益を目指したいなら、HFTに挑戦しましょう。リスクリワードに優れており、高ロット・高頻度で取引することで大きな利益を狙えます。

ただしHFTは期待値の高いトレードロジックを実装するだけでは不十分で、取引コストを最小限まで抑えたり、約定速度をできるだけ早くしたり、ブローカー・取引所に検出されないよう目立たず稼ぐ必要があります。FX上級者向けの取引手法です。

この記事ではHFTのやり方・始め方について解説していきます。

目次

HFT(高頻度売買)の基礎知識

利益率・リスクリワードに優れている

HFTの最大のメリットは利益率が非常に高いこと。期待値の高いトレードロジックや銘柄をうまく選ぶことができれば、月利100%から1000%以上の利益率を叩き出すことができます。

例えば以下のnoteでは仮想通貨のMMbotで2週間/4000%の利回りを出すことに成功しています。

ただこれは資金10,000円を460,000円に増やした場合です。HFTでは運用ロットが大きければ大きいほど、マイナススリッページが生じやすいため、資金10倍にしても利益も10倍になるかは微妙なところです。

HFTの2つ目の大きなメリットは、リスクリワードに優れていること。1分足や秒足を基準に取引するため、予測可能性が高く、期待値にも優れています。また超短期売買だと予測を外してもすぐに損切りして新しくエントリーをし直せるため、ドローダウンも大きくなりにくいです。

これが4時間足や日足でのスイングトレードだとポジション保有期間が長くなるため、経済指標・要人発言などの影響でドローダウンが大きくなりやすいです。

HFTはドローダウンが非常に小さいですが、取引回数が非常に多いです。取引環境・取引コストにこだわらないと赤字を垂れ流すことになるでしょう。そのためHFTはFX上級者向けの取引手法とされています。

高収益EA/botよりエッジ(歪み・優位性)を優先すること

HFTで効率よく稼ぐなら、収益性の高いEA/botを探すのではなく、期待値の高いエッジや歪みを探すことに集中しましょう。

どれだけ優秀なEA/botでも、エッジ(歪み)の少ないところで安定して稼ぐことは難しいです。特に高頻度売買EAは銘柄のボラティリティが高ければ高いほど利益が高くなるため、取引量が少ないタイミング・相場では利益を出しにくくなります。

逆に言えば価格が大きく歪んでいたり、ボラティリティが非常に激しいタイミングでは、EAのロジックが多少雑でも大きな利益を狙うことができます。

1日で数百万円以上稼げるような歪みは、ある日突然生まれて、すぐに消えてしまうものです。そういった収益機会を逃さず、いつでもすぐに取引ができるよう、常にエッジ(歪み)を探しておくようにしましょう。

HFTの利益の源泉はあくまでレートの歪み(エッジ・優位性・アルファ)であって、EAやbotは収益化を自動化させる手段に過ぎません。HFTで効率よく稼ぎたいなら、高品質なEA/botを求めるよりも、レートの歪みを見つけることに集中した方がいいです。

プログラム言語は「Python/C++」がおすすめ

HFT向けのプログラム言語はPythonがおすすめ。MQL4/MQL5(MT4/MT5のプログラム言語)と比べて以下のメリットがあります。

  • MQL4/MQL5より表現性が高く、複雑なトレードロジックを実装しやすい
  • 外部APIと連携することで、経済指標を使ったトレードなどがしやすくなる
  • ライブラリの種類が非常に多く、バックテスト、テクニカル分析、統計処理などがしやすくなる
  • VS CodeやGoogle Colabなど高機能で使いやすい開発環境が整っている
  • LLMでコードを生成してもコンパイルエラーが発生しにくい(表現性が高く、構造がシンプルなためか)

ただPythonはインタプリタ言語であるため、実行速度はやや遅めです。レイテンシー取引などで速度が求められるなら、部分的にC++も併用しましょう。こちらはコンパイル言語なので実行速度が非常に早いです。

またC++はMQL言語と構文が似ているため、あらかじめ習得しておくことでMT4/MT5のEAが作りやすくなる利点もあります。

コーディングはLLMによるVibe Codingがおすすめ

HFT向けEA/botのコーディングは、LLMによるバイブコーディングがお勧め。バイブコーディングとは人間が日本語などでLLMに指示を出しコーディングしてもらうことです。

FX・仮想通貨界隈でよく使われているLLMはこちら。

この中で1番評判が良いのはClaude Codeです。料金は従量課金制ですが、Maxプランに加入することで月額100ドルで使い放題になります。コーディング性能が非常に高く、金融界隈以外のプログラマーにも人気のあるLLMです。(Claude Codeの価格表

2番目の候補としてはGoogle Geminiがおすすめ。こちらはGoogleアカウントを持っていれば無料で使えます。チャット1回の出力で1,000,000トークンまで使えます。APIを使わないのであれば、無料で無制限に使うことができます。(Geminiの価格表

Claude Codeはコーディング性能が高く、Google Geminiはユーザビリティに優れています。そのためコアロジックはClaude Codeに書いてもらい、それ以外のレビュー・微調整などはGoogle Geminiにしてもらうといいでしょう。

3つ目のChat GPTも一部の利用者には人気です。ただ無料版だと入力制限があるため、ソースコードを修正するなら有料版を契約する必要があります。論文のモデルを実装する機能もあるため、英語のHFT論文を読み漁る人には有用なはずです。

ブローカー・証券会社の「FIX API」を使うこと(約定速度を早めるため)

HFTをするなら、FXプラットフォームはMT4/MT5などではなく、ブローカーや証券会社が提供しているFIX APIを使いましょう。

FIX API(Financial Information eXchange API)とは、金融機関や市場参加者の間で、金融取引に関する情報を電子的にリアルタイムで、標準化された形式で交換するための通信プロトコルおよびそのAPI(Application Programming Interface)のこと。

FIX APIがMT4/MT5より優れている点はこちら。

  • 低遅延で取引できる(MT4/MT5サーバーを経由しない、FIXプロトコルはデータ量が少ない)
  • リアルタイムで詳細な板情報(気配値と数量)を取得できる(フル板情報/Level 2 Market Depth)
  • 特殊な注文タイプを利用できる(IOC(Immediate or Cancel)、FOK(Fill or Kill)、アイスバーグ注文など)
  • 大量の注文を処理できる(スループットが高い)
  • DMA(ダイレクト・マーケット・アクセス)が可能(ブローカーが介入しにくい)

ただしFIX APIを提供しているブローカーは数が少ないですし、利用するにしても数万ドル以上の入金額が必要なケースもあり、個人トレーダーだと利用ハードルが高いです。

FIX APIを提供しているブローカーの代表例はOandaです。海外業者だとTradeviewやFX PIGなどのA-bookブローカーも候補に入ります。

運用銘柄は仮想通貨がおすすめ(エッジ/アルファが多いため)

HFTの運用銘柄はFX通貨ペアより仮想通貨の方がおすすめ。FX市場は既に効率化されており、数千万円単位で稼ごうとするとブローカー・リクイディティプロバイダー(LP)に対策されてしまいます。(VDP・約定拒否など)

まずFXブローカーはA-bookブローカーとB-bookブローカーの2種類に分けられます。

B-bookブローカーでは「トレーダーの利益=ブローカーの損失」となるため、ユーザの取引を厳しく監視しており、HFT・アービトラージ取引などの高速売買をしていると、すぐに口座凍結・利益没収されてしまいます。

A-bookブローカーもHFTをするとサーバーの負担が大きくなることから、取引回数を制限されることがあります。またブローカーの検出を回避できたとしても、リクイディティープロバイダー(LP)のLastlook仕様により約定拒否されることがあります。

それに対し仮想通貨取引所はトレーダーを妨害するノウハウがあまり確立されておらず、FXブローカーでは通用しないような手法でも稼げる可能性があります。あるいはエアドロップなどで普通のトレード以外で大きな収益を得るチャンスもあります。

FX HFTの期待値が低い理由は、以下のnoteが参考になります。

情報源は「仮想通貨botter Advent Calender」がおすすめ

仮想通貨でHFTをするときの情報源は、仮想通貨botterアドベントカレンダーがおすすめ。仮想通貨botで大きく稼いだトレーダーが、有益な情報をわかりやすくまとめてくれています。

アドベントカレンダーは2021年から2024年の分まで存在します。時間があるときに軽く目を通しておきましょう。

アドベントカレンダーの記事を一通り読んでおけば、HFTの基礎知識は身につくはずです。高額noteや情報商材も買う必要はなくなるでしょう。

HFTの代表的なトレード手法

マーケットメイキング戦略 (Market Making)

HFTの中でもトップクラスに収益性が高いとされているトレード手法は、マーケットメイキング戦略です。買い注文と売り注文を同時に発注して続けて、スプレッドを稼ぐ戦略です。

マーケットメイキングのやり方はこちら。

  1. 流動性が高くて、ボラティリティが高く、取引コストの低い銘柄を選ぶ
  2. 参照価格(基準となる価格)を決める(市場の最良気配値(Mid-Price)の中値が多い)
  3. 参照価格+スプレッドを基準に、自分の買い値と売り値を決める
  4. 注文価格を調整したり(スキューイング)、定期的なリバランスする

マーケットメイキングでは買い注文と売り注文を同時に提示することで、流動性を提供し、スプレッド差分を利益にします。流動性を提供して取引を促すことで、取引所から手数料を割引してもらえることもあります。

この戦略を実行する人や企業のことをマーケットメーカーとも呼びます。マーケットメーカーの代表例は大手銀行、FX業者(リテールブローカー)、プロップファーム・HFT業者などです。個人でも可能ですが技術的・資金的なハードルが高いです。

FXブローカーはトレーダーに対してマーケットメーカーとして振る舞っており、ポジションを引き受ける代わりにトレーダーと反対のポジションを持つことでスプレッドを稼ぎます。その際トレーダーが利益を出してしまうと、ブローカーの損失になってしまうため、銀行などが参加するインターバンク市場に注文を流します。

顧客の注文をそのままインターバンクに流す方式はA-book(NDD方式)、顧客の注文を一時的に受け止め、抱えきれなくなった分だけインターバンクに流す方式はB-book(DD方式)と呼ばれます。

B-bookブローカーでは「顧客の損失=ブローカーの利益」となるため、トレードで派手に大きな利益を出すと口座凍結・利益没収されてしまいます。HFT取引では基本的にA-bookブローカーを使いましょう。

マーケットメイク戦略は買い・売りを発注するだけなので簡単そうに見えますが、相場の急騰・急落で買い手・売り手が見つからない場合、不利なポジションを長期間抱えることになります。そうならないよう高度なアルゴリズムを用いて、提示するBid/Ask価格をミニ秒単位で調整する必要があります。

一般的に、上下に売り指値と買い指値を入れるようなオーソドックスな逆張りタイプの高頻度取引ボットは、このような一方方向の値動きは苦手とする傾向にあります。
売りと買いのスプレッドよりも値動きのほうが大きくなるため、上下に約定させていってもトータルで見るとマイナスになるためです。

単純に指値幅を広げるというアイデアもあるのですが、何の策もなしにそれだけを行ってしまうと、約定率が落ちて「持ったポジションを決済できず逆行してしまう」といった事態が発生しやすくなります。そういったケースでは、結果的に損益曲線が安定しづらくなります。

引用元

マーケットメイキング戦略は不利なポジションを抱えないよう発注価格を超高速で調整する必要があるため、良質な取引環境が求められます。普通のトレーダーが再現することは難しいです。

ただこれはFX通貨ペアの場合であって、仮想通貨なら話は別です。ある仮想通貨トレーダーがマーケットメイクbotで1,000,000ドル(1.5億円相当)稼ぐことに成功しています。(情報ソース1情報ソース2

仮想通貨ならマイナーな取引所+マイナー銘柄を選ぶことで、個人トレーダーでも利益を出せる余地はあります。

マーケットメイク戦略は単体で稼ぐことは難しいですが、他の銘柄や他の戦術と組み合わせることで期待値を高めることは可能かもしれません。

アービトラージ戦略 (Arbitrage)

DEXアービトラージ

DEXアービトラージとは、DEX(分散型取引所)間で発生する仮想通貨の価格差を利用して利益を得る取引手法のこと。

例えば取引所Aでとあるトークンを100円で買い、取引所Bで同じトークンを105円で売ると、5円の利益が得られます。仮想通貨の世界ではこれを超高速で行うことで、大きな利益を狙います。

DEXアービトラージのやり方はこちら。

  1. 複数の特定の通貨ペアの価格を監視する
  2. 価格差を見つけたら、利益が得られるかどうかを計算する
  3. フラッシュローンを利用したスマートコントラクトで取引をアトミック(不可分)に実行する

スマートコントラクトは自動実行プログラム、アトミック(不可分)は一括処理トランザクション、フラッシュローンは無担保の超短期ローンのこと。

DEXアービトラージで利益を出すにはいくつかの注意点があります。

  • ガス代(取引手数料)によって赤字になりやすい
  • スリッページが発生しやすい
  • botter間の競争が激化しやすい

Pythonなどで自動売買プログラム(bot)を組むことでDEXアービトラージを自動化することもできますが、他のプレイヤーも同じことを考えるため、競争が激しくなりやすいです。

特に仮想通貨のトッププレイヤーは約定速度を速めるために取引環境に多額のコストをかけているため、資金力のない個人トレーダーが参入しても太刀打ちできないでしょう。

アービトラージ取引ではメジャー銘柄でするのではなく、マイナーな銘柄・取引所などを使いましょう。

マイナー取引所・DEX・ウォレットサービスはセキュリティが甘く、資金流出リスクも高い。運用額は1万円から10万円を目安にすること。

レイテンシーアービトラージ

レイテンシーアービトラージとは、情報配信の速度差を利用して超高速で利益を得るトレード手法のこと。

価格更新の早いブローカーで値動きを先読みし、価格更新の遅いブローカーで注文・決済することで、後出しジャンケンの要領で利益を出すことができます。

レイテンシーアービトラージのやり方はこちら。

  1. 速い価格フィードから「ドル円が0.5pips上昇した」という情報を入手する
  2. 価格反映の遅いブローカーではまだ0.5pips上昇していないことを検知し、ドル円の買い注文を入れる
  3. 遅いブローカーでドル円の価格が0.5pips上昇したら、すぐに決済する

レイテンシーアービトラージをするには以下の準備が必要です。

  • 速い価格フィード(Fast Feed)の契約(EBSやReuters、あるいはLMAXやSaxo Bank、Dukascopyなど)
  • 遅いブローカー(Slow Broker)の選定
  • コロケーション(Co-location)
  • ダイレクト・マーケット・アクセス (DMA)

レイテンシーアービトラージでは他のプレイヤーよりも早く価格を知ることが重要です。わずかでも早く市場の最新価格が受信できるよう、HFT業者はEBSやロイターなどの価格フィードを利用しています。(個人トレーダーならLMAXやSaxo Bank、Dukascopyで妥協する)

なおレイテンシーアービトラージをする場合、ソフトウェア版のMT4/MT5では執行が遅すぎて約定が間に合いません。専用のソフトウェアを使うのが一般的です。

レート配信の遅いブローカーを探すなら、特殊な分析ツールを使いましょう。以下のページではレート配信速度を計測するツールを無料でダウンロードできます。

レイテンシーアービトラージも競争が非常に激しく、純粋な速度勝負になるとHFT業者には太刀打ちできません。それよりも他のトレードロジックと組み合わせて、エントリーの質を高める手段として活用したほうがいいです。(高頻度のナンピン・ピラミッディング・アイスバーグ注文など)

統計的アービトラージ (Statistical Arbitrage / StatArb)

FXの統計的アービトラージとは、統計的な分析に基づいて、複数の通貨ペア間に生じる一時的な価格の歪み(非効率性)を利益に変える取引手法のこと。

従来のアービトラージ(裁定取引)が「同一商品の価格差」をリスクゼロで狙うのに対し、統計的アービトラージは、過去の統計データから導き出される「本来あるべき価格関係」からの乖離を狙います。そのため、リスクがゼロではなく、あくまで統計的優位性に基づいた取引となります。

この手法の核心は**「平均回帰(Mean Reversion)」**という考え方です。つまり、「価格関係の乖離は一時的なものであり、いずれは過去の平均的な関係に戻るだろう」という仮説に基づいています。

最も代表的な手法は**「ペアトレード(Pairs Trading)」**です。

  1. 相関性の高い通貨ペアを見つける
    • 経済的に関連が深い国々の通貨ペアは、似たような値動きをする傾向があります。
    • 例:AUD/USD(豪ドル/米ドル)とNZD/USD(ニュージーランドドル/米ドル)
      • オーストラリアとニュージーランドは地理的に近く、経済的な結びつきが強いため、両通貨は似た動きをしやすいです。
  2. 2つの通貨ペアの価格関係(スプレッド)を計算する
    • 単純な引き算ではなく、比率を考慮して計算します。例えば、Spread = AUD/USD – (β * NZD/USD) のように、一方の価格に係数(β)をかけて調整した差を「スプレッド」として扱います。
    • このスプレッドは、長期的にはある一定の範囲(平均値)を中心に動く傾向があります。
  3. スプレッドの乖離を監視する
    • このスプレッドが、統計的に見て「異常に拡大」または「異常に縮小」したタイミングを狙います。
    • 乖離の判断には、**標準偏差(σ)**がよく使われます。例えば、「スプレッドが平均値から+2σ以上離れたら」といったルールを設定します。
  4. ポジションを建てる(エントリー)
    • スプレッドが拡大した場合(=割高な方がさらに高くなった、または割安な方がさらに安くなった)
      • 割高な通貨ペアを売る (Short)
      • 割安な通貨ペアを買う (Long)
    • これにより、市場全体の方向性(ドルが強い/弱いなど)の影響を相殺し(マーケットニュートラル)、2通貨ペア間の価格差の収縮だけを狙います。
  5. スプレッドが平均値に戻った時に決済する(エグジット)
    • スプレッドが平均値に戻った(またはゼロに近づいた)時点で、両方のポジションを同時に決済します。
    • 価格差が縮小した分の利益が確定します。

トライアングルアービトラージ

トライアングルアービトラージ(三角裁定取引)とは、3つの異なる通貨ペア間に生じる、ごくわずかな為替レートの歪み(ズレ)を利用して、リスクなく利益を確定させる取引手法のことです。

理論上は「A通貨→B通貨→C通貨→A通貨」と瞬時に両替を繰り返すことで、元のA通貨よりも多くの資金を手にすることができます。

FX市場では、本来3つの通貨ペア(例:USD/JPY、EUR/USD、EUR/JPY)のレートは、数学的に整合性が取れているはずです。

例えば、

  • USD/JPY = 150.00円
  • EUR/USD = 1.1000ドル

この場合、EUR/JPYの理論的なレート(クロスレート)は、
150.00 × 1.1000 = 165.00円
になるはずです。

しかし、市場の非効率性や価格更新のタイミングのズレなどから、ごく一瞬だけ、実際のEUR/JPYのレートが165.05円のように、理論値からズレることがあります。トライアングルアービトラージは、この「ズレ」を突いて利益を得る手法です。

FXでは経済指標の直後などは理論上のレートと実際の価格に大きな乖離が表示することがあります。そういったタイミングで割安割高な雑貨ペアを注文することで、効率よく利益を出すことができます。

FX単体通貨の合成インデックスは、TradingViewなどで四則演算することで作ることができます。合成インデックス(理論上のレート)をチャート上に表示させることで、1つの画面で理論上のチャートとその通貨ペアの実際の価格を比較できるようになります。

銘柄の理論性のレートと実際の価格のズレは「サヤ/利鞘」とも呼ばれ、FX上級者の間では穴場になっています。特に経済指標の前後ではレートのズレが発生しやすいので、ツールで探してみるといいでしょう。

オーダーブック分析に基づく戦略 (Order Book Analysis)

オーダーブックインバランス

オーダーブックインバランスとは「ある価格帯における、買い注文と売り注文の量に大きな偏り(不均衡)がある状態」のこと。市場は常に買い手と売り手の綱引きで価格が動いています。この綱引きの状況を可視化したものがオーダーブック(板情報)です。

例えば買いのインバランスなら買い注文が非常に多いため、価格が上がりやすいです。逆に売りのインバランスなら売り注文が非常に多いため、価格が下がりやすいです。チャートだけでなく取引板を見ることで、将来の値動きを予測しやすくなります。

株式市場とは異なり、FXは相対取引(OTC)が中心です。株式取引所のような中央集権的な単一のオーダーブックは存在しません。FXトレーダーが見ているオーダーブックは、利用しているFXブローカー内の顧客注文、あるいはリクイディティ・プロバイダーからの集約データで、市場全体のごく一部でしかありません

オーダーブック(取引板)はエントリー基準を判断するときに役に立ちます。例えば順張りトレードなら、上昇トレンド中に価格が少し下落して「買いのインバランス」ゾーンに到達したタイミングで買いエントリー。強いサポートに支えられて再上昇する可能性を狙います。

なおFX取引では大口の投資家が意図的に大量の注文を出してその直前でキャンセルすることで市場を惑わせる「スプーフィング」というテクニックもあります。板情報だけを鵜呑みにするのも危険です。

オーダーブックの入手方法はこちら。

  • cTrader: オーダーブック機能(DoM: Depth of Market)が標準搭載されているプラットフォームとして有名
  • 一部のFXブローカー: OANDAなど一部のブローカーは、自社顧客の注文状況を公開している
  • 専門ツール: Bookmap、Jigsaw Tradingなどの有料ツールは、主に先物市場のオーダーフローを詳細に可視化できる

さらにオーダーブックインバランスには、もう一つ進んだ概念として「オーダーフロー分析」というものがあります。オーダーブックによる指値注文状況だけでなく、タイム&セールスという成り行き注文の状態もチェックし、それら2つの情報を合わせた「フットプリントチャート」を利用します。

フットプリントチャートは、一言で言うと**「ローソク足の中身を解剖して見せてくれるチャート」**です。

通常のローソク足は、始値・高値・安値・終値の4つの情報しかありません。しかしフットプリントチャートは、そのローソク足が形成される過程で、**「どの価格で」「どれくらいの量の買いと売りが成立したか」**を数値で詳細に表示します。

フットプリントチャートを活用すれば過去の情報だけでなく、現在の指値注文と成り行き注文の状態がわかるようになるため、テクニカルトレードにおいても大幅な優位を取ることができます。

フットプリントチャートの詳細はこちらのページが参考になります。

フットプリントチャートは専門的なツールであり、標準のMT4/MT5には搭載されていません。また、FXは相対取引のため、市場全体の出来高データを正確に取得するのが難しいという特性があります。

そのため、プロトレーダーはCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の通貨先物市場のデータを分析するのが一般的です。(OANDAで確認可能)

  • 必要なもの:
    1. 取引プラットフォームNinjaTrader(無料で高機能)や Sierra Chart(プロ向けで高カスタマイズ性)などが有名です。
    2. データフィード: 先物市場のリアルタイムデータを取得するための契約(有料。CQG, Rithmicなど)。
    3. フットプリントインジケーター: プラットフォーム上で動作する専門のインジケーター(有料の場合が多い)。
  • 一体型ツール:
    ATASQuantowerといったプラットフォームは、フットプリント分析を含む高度な機能を標準で搭載しており、近年人気が高まっています。

なおこれらの取引プラットフォームやデータフィード、インディケーターのサービスはMT4/MT5に対応していません。ツールはあくまで価格フィードの分析に使い、実際の取引はMT4/MT5/cTraderなどの取引プラットフォームを使いましょう。

アイスバーグオーダーの検知(とそれを利用した逆張りなど)

アイスバーグオーダーとは、巨大な注文を小分けにして、市場にその全貌が見えないように発注する手法のこと。氷山(Iceberg)のように、水面に見えているのは注文全体のほんの一部で、水面下には巨大な本体(残りの注文)が隠されています。

例えばドル円を150.00円で100ロットで買い注文を入れると、それが板注文で表示されるため、ヘッジファンドやHF業者に先回りして回注文をされてしまいます。その結果としてより高い価格でドル円を約定してしまい、損してしまいます。(スリッページ・価格へのインパクトとも呼ばれる)

それに対して0.1ロットのポジションを1000回に分けて注文すると、板取引で表示されるのは0.1ロットのポジションだけなので、価格へのインパクトも抑えられ、狙った価格で約定しやすくなります。

またアイスバーグ注文を見抜くことによっても価格を予測しやすくなります。例えば買いのアイスバーグ注文があれば価格は上がりやすく、売りのアイスバーグ注文があれば価格は下がりやすくなります。

アイスバーグ注文の見分け方・見つけ方はこちら。

  • “リフレッシュ” または “リロード” される板
  • タイム&セールスとオーダーブックの矛盾
  • フットプリントチャートでの「吸収(Absorption)」

注文は大量に約定されているのに、なぜかその価格の注文量が変化していない、同じ価格・注文量ですぐに板注文が補充される場合は、アイスバーグ注文がされているケースが多いです。

チャートから見つけることは非常に難しく、取引板やタイム&セールス、フットプリントチャートなどで見つける必要があります。

アイスバーグ注文ツールは、海外FX調査兵団さんが有料で提供しています。(価格は200USDT)

注文を分割するだけなら実装もそこまで難しくないため、LLMで自力で作ってもいいでしょう。

スプーフィングの検知(とそれを利用した逆張りなど)

スプーフィングとは、約定させる意図のない大量の注文(見せ玉)を出して、他の市場参加者の判断を誤らせ、相場を自分に有利な方向に誘導しようとする不正行為のこと。

英語の “Spoof” は「だます、かつぐ」という意味で、まさに市場をだます行為です。多くの国の金融規制当局によって明確に禁止されている違法行為です。

【スプーフィングの典型的な手口】

  1. 見せ玉の発注(売りたいフリ):
    スプーファーは、現在の価格より少し上の価格帯に、約定させるつもりのない巨大な売り注文をオーダーブックに表示させます。
    • 例:現在のドル円が150.00円の時、150.10円に1000万通貨の巨大な売り注文を置く。
  2. 市場心理の誘導:
    他の市場参加者は、この巨大な売り注文(売り壁)を見て、「こんなに強い売り圧力があるなら、価格は下がりそうだ」と判断します。その結果、慌てて売り注文を出したり、買い注文を控えたりするため、価格が下落し始めます
  3. 見せ玉のキャンセルと本注文の執行:
    価格が自分の狙っていた安い価格(例:149.90円)まで下がった瞬間、スプーファーは150.10円に置いていた巨大な売り注文を瞬時にキャンセルします。そして、すかさず本当に買いたかった149.90円で大量の買い注文を執行します。
  4. 利益の確定:
    その後、価格が元に戻ったり上昇したりしたところで、安く買ったポジションを売却して利益を得ます。

【兆候】

  • 突然現れて、突然消える巨大な注文:
    オーダーブック(特にヒートマップで可視化すると分かりやすい)を監視していると、特定の価格帯に突如として不自然に厚い壁(巨大な注文)が現れることがあります。そして、価格がその壁に到達する直前に、何の約定もないままパッと消えてしまう。これがスプーフィングの最も典型的なサインです。
  • 価格を「追いかける」壁:
    価格が上昇すると、その少し上を追いかけるように巨大な売り壁が出現し、価格が下落すると、その少し下を追いかけるように巨大な買い壁が出現する、という動きを繰り返すことがあります。これは価格を一定の範囲に押し込めようとする意図が見えます。

あまり推奨される行為ではありませんが、ライバルに大きな損をさせて追い出し、穴場の利益を独占するために使われることがあります。

イベントドリブン戦略 (Event-Driven Trading)

イベントドリブン戦略とは、特定のイベント(出来事)をきっかけとして発生する市場の大きな変動を狙って利益を上げる取引手法のこと。

定期的な経済イベント(最重要)はこちら。

  • 金融政策関連:
    • 政策金利発表: 各国中央銀行(米FRB, 日銀, ECBなど)が発表する政策金利。市場の予想と結果が異なると、最も大きな価格変動を引き起こします。
    • 中央銀行総裁の会見・議事録公開: 金融政策の将来的な方向性(利上げ/利下げの示唆など)に関する発言は、金利発表以上に重視されることもあります。
  • 経済指標発表:
    • 雇用統計: 特に米国の「非農業部門雇用者数(NFP)」と「失業率」は、市場の注目度が非常に高いです。
    • インフレ関連指標: 消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)など。インフレの動向は金融政策に直結するため極めて重要です。
    • 景況感指数: ISM製造業/非製造業景況指数、PMIなど。企業の景況感を示します。
    • GDP(国内総生産): 国の経済成長率を示す指標。

裁量トレードから始めるなら、Investing.com(インベスティング・ドットコム)の経済指標カレンダーから使ってみるといいでしょう。

HFTのイベント検知は、人間が読むニュース記事ではなく、コンピュータが直接解釈できる構造化データ**「マシンリーダブルニュース(Machine-Readable News)」**に依存します。

  • 提供ベンダー:
    • Bloomberg: Bloomberg Professionalサービスの一部として提供されるデータフィード。金融業界のデファクトスタンダード。
    • Refinitiv (旧Thomson Reuters): 「Elektron」などのプラットフォームを通じて提供。速報性に定評があります。
    • Dow Jones: 「Dow Jones Newswires」のデータフィード。特に企業ニュースや政治ニュースに強い。
    • 専門ベンダー: Exegy, Activ Financialなど、超低遅延のデータフィードに特化した企業も存在します。

期待値の高いHFTイベントドリブン戦略の類型はこちら。

  • レーテンシー・アービトラージ(Latency Arbitrage)
  • クロスアセット相関アービトラージ(Cross-Asset Correlation Arbitrage)
  • ボラティリティ・スカルピング & マーケットメイク
  • 非構造化データ・センチメント分析

経済指標が発生するタイミングでは、レート配信の早いところと遅いところで価格のズレが大きくなりやすいです。特にレイテンシーアービトラージとは相性が良いです。

HFTでテクニカル手法をおすすめしない理由

HFTにおいて過去の情報から価格を予測するテクニカルトレードはおすすめしません。期待値が低いからです。

それよりも価格の歪みを利用したアービトラージ取引、あるいは大口の取引が一定のタイミングで動くアノマリートレードの方が利益を出しやすいです。

例えばテクニカルトレード手法「トレンドフォロー」ではトレンド相場で大きな利益を狙いますが、そうでないレンジ相場では赤字を垂れ流すことになります。トレンド相場に見えても、それはレンジ相場の一時的なオーバーシュートだったりもします。両者を見分けるのは困難です。

一方、この手法はトレンド相場でない定常相場ではポジションを取る機会が減ってしまうため、全体の収益期待値がかなり下がってしまいます。
ですので、定常相場のときはフィルターを外すなどして、トレンド相場になった時だけフィルターをオンにするなどの工夫が必要でしょう。

引用元

テクニカル手法のもう一つの手法として「平均回帰(ミーンリバーサル)」があります。代表的なのは価格がEMAなどから大きく乖離したら逆張りトレードを仕掛けて、リバウンドで利益を狙う手法です。

ただゴールドのようなボラティリティの激しい銘柄だと、EMAを乖離するような激しいオーバーシュートの後、そのままトレンドが継続してしまうケースもあります。平均回帰を利用したトレードは、それほど期待値は高くありません。

ご覧の通り、1秒先の値動きになるに従い、説明力が急激に減衰しています。この性質がすぐに市場に織り込まれている、という表現をしてもよいかもしれません。市場全体としてそのような構造があるのかもしれませんし、もしかしたらこの値動きを取るための超高速のボットが存在するのかもしれません。

引用元

HFTにおいて過去の値動きから未来の値動きを予測する手法は期待値が低いです。それよりも価格のズレやレート配信速度を利用したアービトラージ取引の方が期待値は高くなります。

速い価格フィードを見つけるには?

HFTで効率的に稼ぐなら、まずは速い価格フィードを見つけることが重要です。具体的な手法についてはGoogle Gemini Proの以下の回答が参考になります。

はい、承知いたしました。個人FXトレーダーが利用できる「速い価格フィード」サービスを、目的や技術レベルに応じていくつかのカテゴリーに分けてご紹介します。

ここで言う「速い」とは、主に以下の2つの意味を含みます。

  • 低遅延(Low Latency): データソースからトレーダーの手元に届くまでの時間が短いこと。
  • 高頻度(High Frequency): 1秒間に配信されるティックデータの回数が多いこと。

これらのサービスは、一般的なMT4/MT5の標準フィードよりも高速・高精度なデータを求めるスキャルパー、アルゴリズムトレーダー、または詳細な分析を行いたい上級者向けです。


カテゴリー1:専門のデータフィード・ベンダー

これらは金融データを専門に販売している企業です。プロ向けが中心ですが、個人でも契約可能なサービスがあります。

  1. dxFeed
    • 特徴: 個人トレーダー向けのデータフィードとしては最も有名で、比較的手頃な価格で利用できます。FX、株式、先物、オプション、暗号資産など幅広い市場のリアルタイムデータを提供しています。
    • 接続方法: API(Java, C#, C++, Python, REST, WebSocket)が豊富で、開発者にとって非常に使いやすいです。
    • 向いている人: 独自の取引ツールや分析ソフトを開発したいプログラマー、アルゴリズムトレーダー。
    • 注意点: データフィードのみの契約です。取引は別途対応ブローカーで行う必要があります。
  2. IQFeed (DTN)
    • 特徴: 北米市場に強い老舗のデータベンダーですが、FXのティックデータも提供しています。多くのサードパーティ製チャートソフトや取引プラットフォーム(NinjaTraderなど)が対応しており、導入しやすいのが魅力です。
    • 接続方法: 専用のクライアントソフトを介して接続、またはAPIを利用します。
    • 向いている人: 既存の高性能なチャートソフトで、より質の高いデータを使いたいトレーダー。
  3. Polygon.io
    • 特徴: 主に株式や暗号資産で有名ですが、FXデータも提供しています。APIベースのモダンなサービスで、開発者フレンドリーなドキュメントと手頃なプランが特徴です。
    • 接続方法: REST API, WebSocket API。
    • 向いている人: Web技術に詳しい開発者で、モダンなAPIを使ってデータを取得したい人。

カテゴリー2:FXブローカーが直接提供する高速API

多くのECN/STPブローカーは、機関投資家や大口顧客向けに、プラットフォームを介さず直接サーバーに接続できるAPIを提供しています。これにより、ブローカーが持つ最も速い価格フィードと約定環境にアクセスできます。

  1. FIX API (Financial Information eXchange API)
    • 特徴: 金融取引における通信の業界標準プロトコル。最も低遅延な接続が可能で、ミリ秒単位の取引を目指すHFT(高頻度取引)などで利用されます。
    • 提供ブローカー例:
      • LMAX Exchange / LMAX Global: 機関投資家レベルの流動性と低遅延を個人にも提供していることで有名。FIX APIへのアクセスを積極的に提供しています。
      • Dukascopy Bank: テクノロジーに強く、FIX APIや独自のJForex APIを提供しています。
      • Interactive Brokers (IBKR): 条件(口座残高など)を満たせばFIX APIを利用できます。
      • Saxo Bank (Saxo Markets): プロフェッショナル顧客向けにFIX APIを提供しています。
    • 向いている人: プログラミングスキルがあり、超低遅延の取引システムを自ら構築したい最上級者。
    • 注意点: 通常、最低預託金などの利用条件が厳しく、実装の技術的ハードルも非常に高いです。
  2. その他のAPI (WebSocket/RESTなど)
    • 特徴: FIX APIよりは手軽に利用できるAPIで、リアルタイムの価格ストリーミング(WebSocket)や注文執行(REST)が可能です。MT4/MT5ターミナル経由よりも高速なアクセスが期待できます。
    • 提供ブローカー例:
      • OANDA: v20 REST APIは非常に有名で、多くの個人開発者に利用されています。ストリーミング用のエンドポイントもあります。
      • Dukascopy Bank: JForex APIはJavaベースの強力なAPIです。
      • Saxo Bank: OpenAPIはドキュメントも整備されており、個人でもアクセスしやすいです。
    • 向いている人: 独自のダッシュボード作成や、自動売買プログラムをFIX APIほどの複雑さなしに構築したい開発者。

カテゴリー3:高速フィードを統合したサードパーティ・プラットフォーム

取引プラットフォーム自体が、高速なデータフィードと約定を前提に設計されているものです。

  1. cTrader
    • 特徴: ECN/STPブローカーで採用されることが多いプラットフォーム。MT4/MT5よりも高速な約定と透明性の高い板情報(Depth of Market)が特徴です。プラットフォーム自体が高速フィードを前提に作られています。
    • 接続方法: cTraderのデスクトップ/ウェブプラットフォームを利用。また、cAlgo(C#ベース)を使った自動売買やOpen APIも提供されています。
    • 向いている人: MT4/MT5の動作や約定速度に不満があり、よりプロフェッショナルな環境を求める裁量トレーダーおよび自動売買トレーダー。
    • 利用できるブローカー: AXIORY, Tradeview, FxProなど。
  2. QuantConnect
    • 特徴: アルゴリズム取引のバックテストとライブトレーディングのためのクラウドプラットフォーム。dxFeedなどの高品質なデータを標準で利用でき、複数のブローカー(Interactive Brokers, OANDAなど)と接続してライブ取引が可能です。
    • 接続方法: PythonまたはC#でアルゴリズムを記述し、プラットフォーム上で実行します。
    • 向いている人: インフラ構築の手間を省き、アルゴリズム開発に集中したい人。高品質なデータで正確なバックテストを行いたい人。

選び方のポイント

  • 目的は何か?
    • 分析・バックテスト用: dxFeedやIQFeedで高品質なヒストリカル・リアルタイムデータを購入するのが良いでしょう。
    • 取引執行用: LMAXやDukascopyなどのFIX API対応ブローカーや、cTrader対応ブローカーを選ぶのが近道です。
  • 技術スキルはどのくらいか?
    • プログラミング可能: ブローカーのAPI(FIX, WebSocket)やデータベンダーのAPI(dxFeedなど)が選択肢になります。
    • プログラミングはしない: cTraderなどの高性能プラットフォームを利用するのが最も現実的です。
  • 予算はいくらか?
    • データ専門ベンダーの利用やFIX API接続には、月額数万円以上のコストがかかることが一般的です。
    • cTraderやブローカー提供の標準APIは、口座を開設すれば無料で利用できる場合が多いです。

最後に、重要な注意点として、価格フィードが速くても、取引を行うブローカーの約定サーバーが遅ければ意味がありません。 そのため、超低遅延取引を目指す場合は、データと執行の両方が高速なサービス(例: LMAXのFIX API)を選ぶことが不可欠です。

遅い価格フィードを見つけるには?

レート配信の速度差を利用したアービトラージ取引をするなら、価格フィードの遅いブローカーを見つけることも重要です。ブローカーの価格配信速度は、MT4/MT5のツールなどで計測できます。

レート配信速度の計測ツールは、以下のページからダウンロードできます。

こちらも1万円で販売されていますが、該当noteをリツイート(リポスト)することで無料ダウンロードできます。

配信速度の遅い業者の探し方は、以下の記述が参考になります。

FX業者の中には、

  • レート更新が速い業者
  • レート更新が遅くてスプレッドが広い業者
  • レート更新が遅くてスプレッドが狭い業者

があります。発見するべきは「レートが遅くてスプレッドが狭い業者」です。

また、レートが遅くてスプレッドが狭い業者の中にも、

  • レート急変時にスプレッドを笑っちゃうくらい広大にする業者
  • レート急変時でもスプレッドをそれほど広げない業者

がいます。ターゲットは下の業者です。

さらに掘り下げると、

  • レートが遅いけどティックが全然なくてレートが飛び飛びになる業者
  • レートが遅いけどティックが多い業者

があります。

引用元

FX通貨ペアの探し方は、以下の記述が参考になります。

最大レート差と最小レート差の差が大きければ大きいほどアービトラージのチャンスがあるということを意味します。

ただし、それだけではスプレッドによる手数料で負ける可能性あります。

「最大レート差 - 最小レート差 - スプレッド」を加味すると、レート差の変位が激しく、かつ、スプレッドも狭い通貨ペアを見つけることができます。

AUDJPY, GBPCHF, AUDNZD, EURAUD, GBPAUD, USDCAD, USDSGDあたりは”最大レートー最小レート差”が大きいので、スプレッドを考慮しないのであればアービトラージのターゲットとなる通貨ペアですが、スプレッドも考慮すると、GBPUSD, EURUSD, USDJPYのメジャー通貨に軍配が上がります。

引用元

レートの歪みを見つけるには、デスクトップ版MT4/MT5で専用の計測ツールを使う必要があるため手間がかかります。少なくともFX上級者向けです。

ただレートの歪みを埋めるトレード手法は、普通のテクニカルトレードより勝率・期待値が高いです。裁量トレート・EA自動売買での成績が振るわない方は、アービトラージ取引やHFT取引に切り替えましょう。

口座凍結・利益没収対策について

HFT・アービトラージ取引では、レート配信の速いブローカーで値動きを先読みし、値動きの配信が遅いB-bookブローカーで取引するのが主流です。

ただB-bookブローカーでは「トレーダーの利益=ブローカーの損失」となるため、大きな利益を出しているトレーダーには不正取引などの難癖をつけて口座凍結・利益没収してくるリスクがあります。

運用額は10万円、運用ロットも0.01-0.99ロットを目安にして、それを超高速で回していく感じになります。取引回数制限があるなら、複数の口座を運用し、個別口座ごとの取引回数を減らすようにします。

複数口座を同時運用するならコピートレードがおすすめ。マスター口座でアービトラージ取引をして、それを他のフォロワー口座にもコピーできます。

FXのコピートレードはストラテジーのほとんどがナンピン・マーチンだったり、取引手数料が非常に高かったりしてネガティブなイメージがつきまといますが、専用コピートレードツールなどを使えばそういったデメリットは回避できます。

またHFT・アービトラージ取引をするときは、運用ロットは1.0ロット以下にしましょう。B-bookブローカーでは1.0ロットを超えると、VDPなどでスリッページを広げられて、期待値を大きく下げられるからです。

例えば1.0ロットのポジションを1つ持つよりも、0.01ロットのポジションを100個持った方が期待値が高くなりやすいです。アイスバーグ注文をするなら海外FX調査兵団さんの有料ツールが便利です。

アイスバーグ注文の実装自体はそれほど難しくないため、Google Gemini ProなどのLLMで自作してもいいでしょう。

またレート配信の遅いB-bookブローカーは出金トラブルも多くなりやすいです。特にHFT・アービトラージ取引はトレーダー側の利益率が高いため、バレてしまうと口座凍結リスクが高いです。

海外FXブローカーは日本の法律が適用されないため、出金拒否・利益没収されたら泣き寝入りするしかありません。どうしても資金を取り戻したいなら、自力救済する必要があります。

具体的には証拠保全のためにMT4/MT5取引履歴の保存、カード入金の場合はチャージバック手続き、国内銀行送金の場合は収納代行業者を特定して法的措置を取るなどですね。

海外FXブローカーの拠点は海外にあるため日本国内から手出しできませんが、資金の窓口となる収納代行業者は日本国内にあるケースが多いため、その弱点をつくことで出金トラブルがスムーズに解決しやすくなります。

https://twitter.com/wwfxinfo_tw/status/1927292249194320035

HFT関連で参考になるツイッターアカウント

HFTについて学ぶなら、以下のTwitterアカウントが参考になります。

おすすめ検索キーワード

FX関連の情報だけを絞り込みたい場合は、個別のTwitterアカウントページから以下のキーワードを検索しましょう。そのアカウントのHFTに関する有益情報が拾えます。

  • HFT
  • 表技(=テクニカルトレードのこと)
  • 裏技(=レイテンシーアービトラージのこと)
  • 板(=取引板のこと)
  • 鞘/サヤ(利鞘。レートの歪みのこと。アービトラージの利益の源泉)
  • 乖離
  • 雇用統計
  • アービ(=アービトラージのこと)
  • システム
  • エッジ
  • アルファ
  • ミリ(=100万のこと)
  • S/SS(=S/SS級botterのこと。S級は月次1,000万円。SS級は月次1億円)
  • LP(=リクイディティプロバイダーのこと)
  • ネタ
  • ms(=約定速度「ミリセカンド」のこと。10ms以下だとかなり速い)
  • 先行レート
  • LMAX

これらのキーワードはHFTで大きく稼いでいる人がよく使う俗語や略称です。アカウントではなくTwitter全体で検索をかけることで、関連した最新情報も拾えます。

最優先で読みたいHFT(高頻度売買)関連の有益note

HFT(高頻度売買)初心者に役立ちそうな記事

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海外FXの始め方

海外FXの稼ぎ方は裁量スイングトレードがおすすめ。チャート確認は1日5分。VPS・EA・特殊ツールも不要で、スマホアプリだけで簡単に始められます。

特にゴールドのピラミッディングトレードは資本効率が非常に高く、長期トレンドに乗っかることで、資金10万円から50万円-100万円を狙うこともできます。(0.1ロット*10ポジが目安)

最初に使う口座はXM スタンダード口座がおすすめ。3種類のボーナスが利用でき、10万円の入金額を17万円ほどに増やすことができます。

またXMは世界的にも利用者が非常に多く、資金繰りにも余裕があるため、裁量トレードで大きな利益を出しても出金拒否・利益没収になるリスクは低いです。

XMの3種ボーナスを使い切った、あるいは取引コストをもっと低く抑えたいなら、XM KIWAMI口座に切り替えましょう。スタンダード口座よりスプレッドが低いですし、スワップフリーもあるため、スイングトレードやスワップアービトラージで利益を出しやすくなります。

取引コストをもっと抑えたいなら、AXIORY ナノ口座テラ口座がおすすめ。どちらも取引コストが低めで、EA自動売買など取引コストの多いトレード手法でも利益を出しやすくなります。

利用するFXプラットフォームがMT4cTraderならナノ口座を、MT5ならテラ口座を選びましょう。

取引コストを最小限に抑えたいなら、Tradeviewもおすすめ。特にILC口座cTrader口座は取引コストが非常に低く、スキャ系のトレードロジックで利益を出しやすくなります。

利用するFXプラットフォームがMT4MT5ならILC口座を、cTraderならcTrader口座を使いましょう。ただしILC口座は最大レバレッジが200倍、最小ロットが0.1ロットであることに注意が必要です。

公式リンク:XM 公式サイトAXIORY 公式サイトTradeview 公式サイト

この記事を書いた人

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