この記事ではbitwallet(ビットウォレット)について解説します。
bitwallet(ビットウォレット)とは?
bitwalletは、シンガポールに拠点を置く「bitwallet PTE LTD」が運営するオンラインウォレット(デジタルウォレット)サービスです。

銀行口座のようにオンライン上でお金を管理し、世界中のユーザーと安全かつスピーディーに資金の送金、受け取り、管理ができます。特に、国際的な送金や、海外のサービス(例えば海外FXなど)への入出金手段として、多くの個人および法人に利用されています。
注意点: 名前に「bit」とありますが、ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)専用のウォレットではありません。主に法定通貨(日本円、米ドル、ユーロなど)を取り扱います。
bitwalletの主な特徴(公式サイトより)
bitwalletが多くのユーザーに選ばれる理由は、主に以下の特徴にあります。
1. 多様な通貨に一つのウォレットで対応
日本円(JPY)、米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、豪ドル(AUD)といった主要通貨を、一つのアカウント内でまとめて管理できます。通貨ごとに別々のアカウントを作成する必要がなく、非常に便利です。
2. スピーディーな入出金と送金
- bitwalletユーザー間の送金: 24時間365日、いつでも即時に資金が着金します。銀行の営業時間に左右されないため、急ぎの送金に非常に強力です。
- 入出金: クレジットカードや銀行振込など、多様な方法に対応しており、手続きも迅速に行われます。
3. リーズナブルな手数料
bitwalletの最大の魅力の一つが、その手数料の安さです。
- bitwalletユーザー間の送金手数料: 通貨や金額に関わらず、一律100円(または1ドル/1ユーロ)という非常に低い手数料で送金できます。
- 法定通貨の両替手数料: ウォレット内で通貨を両替する際の手数料も、銀行などと比較して安価に設定されています。
4. 高いセキュリティ
ユーザーが安心して利用できるよう、世界基準のセキュリティ対策を導入しています。
- PCI DSS準拠: クレジットカード業界の国際的なセキュリティ基準「PCI DSS」に完全準拠しており、カード情報を安全に保護します。
- 2段階認証(2FA): ログイン時や送金時に、ID・パスワードに加えてスマートフォンアプリ等で生成されるワンタイムパスワードを要求することで、不正アクセスを防止します。
- 資金の分別管理: ユーザーから預かった資金は、会社の運転資金とは完全に分離して管理されており、万が一の場合でもユーザーの資産は保護されます。
5. 多様な入出金方法
ユーザーの利便性を高めるため、複数の入出金方法を提供しています。
- 入金方法:
- クレジットカード(VISA, Mastercard, JCB, Amex, Diners)
- 国内銀行振込
- 海外銀行振込
- 出金方法:
- 国内銀行振込
- 海外銀行振込
bitwalletの主な利用シーン
どのような場面でbitwalletが役立つのでしょうか。代表的な例を挙げます。
- 海外FXブローカーへの入出金
最も多く利用されているシーンの一つです。海外FX会社への入出金を、国際銀行送金よりもはるかに早く、安く行うことができます。多くの海外FXブローカーがbitwalletに対応しています。 - 個人間の国際送金
海外に住む家族や友人への仕送り、留学費用の送金などに利用されます。銀行経由の国際送金は手数料が高く、着金まで数日かかりますが、相手もbitwalletアカウントを持っていれば、即時・格安で送金が完了します。 - オンラインサービスや商品の決済
海外のオンラインショップやデジタルコンテンツの支払いに利用できます。 - フリーランスの報酬受け取り
海外のクライアントからの報酬を、銀行口座情報を伝えることなく、メールアドレスだけで安全に受け取ることができます。
bitwalletの利用開始方法(アカウント開設)
利用開始までの流れは非常にシンプルです。
- 公式サイトから新規登録
メールアドレスとパスワードを設定し、アカウントの種類(パーソナル/ビジネス)を選択します。 - 個人情報の入力
氏名、住所、生年月日などの基本情報を入力します。 - 本人確認書類の提出(KYC)
セキュリティおよび不正利用防止のため、全ての機能を利用するには本人確認が必要です。以下の書類をアップロードします。- 本人確認書類: 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど
- 現住所確認書類: 公共料金の請求書、住民票など(発行から6ヶ月以内のもの)
- 承認後、利用開始
書類が承認されると、入出金や送金など、bitwalletの全ての機能が利用可能になります。
主な手数料について
項目 | 手数料 | 備考 |
---|---|---|
口座開設・維持費 | 無料 | |
入金(銀行振込) | 無料 | 振込元の銀行手数料は自己負担 |
入金(クレジットカード) | 8% 〜 8.5% | 利用するカードブランドによる |
送金(ユーザー間) | 一律100円(または1ドル/1ユーロ) | bitwalletの最大のメリット |
出金(国内銀行へ) | 824円 | |
出金(海外銀行へ) | 2,400円+出金額の1% |
※上記の手数料は変更される可能性があります。ご利用の際は、必ずbitwallet公式サイトで最新の情報をご確認ください。
注意:bitwalletの1回あたりの出金額上限について
bitwalletの1回あたりの出金上限額は、利用する通貨によって異なります。パーソナル(個人)アカウントの場合、上限額は以下の通りです。
- 日本円 (JPY): 500,000円
- 米ドル (USD): 5,000ドル
- ユーロ (EUR): 5,000ユーロ
また、1日あたりの出金上限額も設定されており、20,000米ドル相当額となります。
なお、これらの上限額はパーソナルアカウントのものであり、ビジネス(法人)アカウントの場合は1回および1日の出金上限はありません。
出金手数料は、国内銀行への日本円での出金の場合、通常824円ですが、キャンペーン期間中は777円になることがあります。
まとめ
bitwalletは、「速さ」「安さ」「安全性」を兼ね備えた、非常に便利なオンラインウォレットサービスです。
特に、海外との資金のやり取りが多い方(海外FX利用者、個人輸入、フリーランスなど)にとっては、従来の銀行送金に代わる強力な選択肢となります。アカウント間の送金手数料が非常に安いため、送金する側も受け取る側もメリットが大きいのが特徴です。
これから利用を検討される方は、まずは公式サイトで詳細を確認し、ご自身の用途に合っているか見極めることをお勧めします。
対応している海外FXブローカーは?
bitwalletは、その利便性と手数料の安さから、多くの海外FXブローカーで入出金方法として採用されています。複数のFX口座の資金管理をbitwalletに一本化できるため、多くのトレーダーに利用されています。
以下に、bitwalletに対応している代表的な海外FXブローカーをいくつかご紹介します。
bitwalletでの入出金に対応している主要な海外FXブローカー
特に人気が高く、多くのサイトで紹介されている業者
- XM (XMTrading): 日本で非常に人気のあるブローカーです。 ただし、XMではbitwalletで入金はできますが、出金には対応していない(入金額までの出金のみ可能)といった情報もあるため、利用前に公式サイトで最新のルールを確認することが重要です。
- Titan FX: スプレッドの狭さや約定力の高さで知られるブローカーです。bitwalletでの入出金手数料が無料で、即時反映されるため相性が良いとされています。
- Exness: 無制限のレバレッジやロスカット水準0%などの特徴を持つブローカーです。bitwalletでの入出金に対応しており、24時間自動出金システムにより非常に高速な資金移動が可能です。
- FXGT: 為替だけでなく、仮想通貨の取引もできるハイブリッド取引所として知られています。bitwalletでの入出金に完全対応しています。
- HFM (旧HotForex): 豊富なボーナスや多様な金融商品を提供しているブローカーです。
その他、bitwalletに対応しているブローカー
- Tradeview
- MyfxMarkets
- FBS
- iFOREX
- IFCMarkets
- Anzo Capital Limited
- Traders Trust
【重要】ご利用前の注意点
- 対応状況は変更される可能性: 海外FX業者の入出金ルールは頻繁に変更されることがあります。 過去に対応していても、現在は停止しているケース(例:BigBoss)や、逆に対応を開始するケースもあります。口座を開設する前や入出金を行う前には、必ず利用したいFXブローカーの公式サイトで、bitwalletが現在も利用可能かを確認してください。
- 入金と出金のルール: FX業者によっては、「入金にのみ利用可能」であったり、「入金額までしかbitwalletに出金できず、利益分は銀行送金」といった独自のルールを設けている場合があります。 特に利益の出金ルールは重要ですので、事前に確認しましょう。
- 名義の一致: bitwalletのアカウント名義とFX口座の名義は、完全に一致している必要があります。名義が異なると、入出金が拒否される原因となります。
bitwalletは複数の海外FX業者を利用するトレーダーにとって、迅速かつ低コストで資金を移動できる非常に便利なツールです。 上記のリストを参考にしつつ、必ず公式サイトで最新の情報を確認してから利用するようにしてください。
日本の資金移動業者として登録している?
bitwalletは、日本の金融庁に「資金移動業者」として登録されていません。
以下に、その詳細と意味について解説します。
1. bitwalletの運営元と登録状況
- 運営会社: bitwallet PTE LTD
- 所在地: シンガポール共和国
- 登録・監督官庁: シンガポール金融管理局(MAS – Monetary Authority of Singapore)
bitwalletはシンガポールの法律に基づいて設立され、同国の金融当局であるMASの監督下で「決済サービス法(Payment Services Act)」に基づき、決済サービス事業者としてライセンスを取得し運営されています。
つまり、日本国内の法律(資金決済に関する法律)に基づく事業者ではなく、海外の事業者ということになります。
2. 「資金移動業者」として登録されている場合との違い
もしbitwalletが日本の資金移動業者として登録されていれば、以下のような日本の法律に基づく規制と保護の対象となります。
- 金融庁の監督: 業務の健全性や利用者保護の観点から、日本の金融庁による直接的な監督・検査を受けます。
- 資産の保全義務: 利用者から預かった資金を保全するため、履行保証金を法務局に供託するなどの義務が課せられます。これにより、万が一事業者が破綻した場合でも、利用者の資金が一定額まで保護される仕組み(資金決済法上の還付手続)があります。
- 犯罪収益移転防止法への準拠: 日本の法律に基づき、厳格な本人確認(KYC)や疑わしい取引の届出が義務付けられます。
- トラブル時の対応: 日本国内の相談窓口や、日本の法制度に基づいた紛争解決手続きを利用しやすくなります。
3. 利用者が理解しておくべきこと
bitwalletは日本の資金移動業者ではないため、日本の法律に基づく上記の利用者保護の仕組み(特に履行保証金制度による資産保全)の対象外となります。
ただし、これはbitwalletが危険・違法であるという意味ではありません。
前述の通り、シンガポール金融管理局(MAS)という、国際的にも信頼性の高い金融当局の規制下で運営されており、PCI DSS準拠など国際基準のセキュリティ対策も講じています。利用者資金も分別管理されています。
利用者は、「日本の法律ではなく、シンガポールの法律に基づいて保護・運営されている海外のサービスである」という点を理解した上で、自己の判断と責任において利用する必要があります。
まとめ
- bitwalletは日本の資金移動業者ではありません。
- シンガポールの金融当局(MAS)の監督下にある海外の決済サービス事業者です。
- そのため、日本の資金決済法が定める利用者保護の仕組み(履行保証金制度など)の対象にはなりません。
- サービスを利用する際は、この点を理解しておくことが非常に重要です。